カテゴリー別アーカイブ: お墓全般について

法事の後に食べるお斎(おとき)とは

お斎(おとき)とは、法事の後に皆様で取る食事のことをいいます。
もともとは、お寺で僧侶が正午までに取る食事を意味しましたが、次第に変化し、法事でご供養をした後に振る舞われる食事全般のことを指すようになりました。
お斎をする場所は特に定められてはおらず、法要を営む場所やご予算によって自由です。
ご自宅や寺院、霊園などで法要をした場合は、その場所で仏事用の仕出し弁当などを振る舞ったり、近くのレストラン・料亭などに場所を移して行われます。
ご予算にも特に決まりはありません。地方や慣習によっては異なるため、身近に相談できる人がいる場合は事前に確認しておきましょう。一人前で数千円程度が相場です。

お斎の席順

上座と下座があります。僧侶の方がご一緒の場合は、上座の主席に座って頂きます。その次は、出席していただいた親族の方が年長者順に上座に座ります。
その次に、特に故人と親しかった友人・知人。施主と家族は一番下座に座ることになります。
ただし、施主が僧侶の方に対応する意図から、僧侶の隣に座る場合もあり、柔軟に対応することが良いでしょう。

※この投稿は、墓苑に関する一般的な知識の普及を目標にしています。当寺に関するご案内ではございませんので、何卒ご了承下さいますようお願いいたします。

お線香(せんこう) をお供えする意味

お線香をお供えする目的は、仏様の食事、さらに香煙を通じて仏様とお話しするという意味があると考えられています。また、お参りされる方のためには、身を清めることや、香りによって心を落ち着かせ、仏様と向き合うことに大きな意味があります。

お線香の火の消し方

お墓参りの際には、お線香を点火して香炉に立てるか、線香皿に横にして寝かせます。
お線香の火は、手であおいで消すのが礼儀とされています。吹いて消すものではないと言われているのは、仏様の前で息を吹きかけることは不作法とされているからです。
また、お線香の本数やあげ方は宗教や宗派によって作法がありますので、正しい作法に関心がある方は菩提寺の僧侶に確認されると良いでしょう。

お線香(せんこう) の種類

線香は材料から「匂い線香」と「杉線香」に大別されます。

匂い線香

匂い線香は、椨(たぶ)の木の樹皮に、白檀(びゃくだん)や伽羅(きゃら)といった香木や炭の粉末などを混ぜて練り、線状に成型・乾燥させたものです。

杉線香

杉線香は、3ヶ月ほど乾燥させた杉の葉を用いた線香で、特に墓参りのときに用いられる。 香木や香料を使用した線香よりも香りは抑えられ、煙を多めに出すため、外でのお墓参りに向いています。

お線香(せんこう) について

お線香(せんこう) は、好まれる香りを出す材料を細かくして練り合わせ細い棒状にして乾燥させたお香のひとつです。
起源は古く、聖徳太子の時代に淡路島に香木「沈香」が漂着したのがはじまりとされています。以降、仏事や神事に使われるようになりましたが、現在のような棒状の線香の形になったのは江戸時代の初め頃からだといわれています。

お線香の材料

さまざまな原料の調合によって作られますが、主に天然原料で、その多くは漢方薬としても用いられています。代表的な原料としては、椨(たぶ)・沈香(じんこう)・白檀(びゃくだん)・桂皮(けいひ)・丁子(ちょうじ)・大茴香(だいういきょう)などがあります。

※この投稿は、墓苑に関する一般的な知識の普及を目標にしています。当寺に関するご案内ではございませんので、何卒ご了承下さいますようお願いいたします。

仏花(ぶっか)について

「仏花」とは、墓参りの際やお仏壇に供える花のことです。基本的には、一対にしてお供えします。

仏花の種類には、菊がよく見られますが(芳香が邪気を払うとされています)が、お供えする花の種類に特別な決まりがあるわけではありません。

ただし、バラなどのとげのある花、芳香の強い花、毒のある花は避けることが多いようです。

お花屋さんに「仏花をお願いします」と言うだけで、適切なお花を見繕ってもらえますし、ご先祖様の好まれたお花を一対ご用意されても良いでしょう。

仏花のお花の種類

一般的に仏花に選ばれるお花の種類は次のようなものです。

輪菊、小菊、洋菊、カーネーション、百合、テッポウユリ、アイリス、金仙花、スターチス、りんどう、グラジオラスなど

これらのお花を組み合わせ(組み合わせる花の数は、奇数が一般的です)、白、黄色、紫などの華やかな色使いが施されることが一般的です。

※この投稿は、墓苑に関する一般的な知識の普及を目標にしています。当寺に関するご案内ではございませんので、何卒ご了承下さいますようお願いいたします。

洋型墓石

洋型墓石の種類

近年、公園墓地や芝生墓地の普及により建てられるようになった、高さが低く安定感のある形式のお墓です。日本古来から伝わってきたものではありませんが、墓石に刻む文字も家名だけでなく、好きな言葉や文字など自由なスタイルが特徴です。

主に、関東圏内の公園墓地や芝生墓地で多く取り入れられるようになりました。
デザインは、棹石の正面が地面と直角になっているストレートタイプや、お参りに来られる方の視線の位置を考慮して少し斜めに傾かせているオルガンタイプ、その他さまざまなデザインのものがあります。

洋型墓石の彫刻

正面文字には、もちろん家名を入れることもできますが、お好みのお言葉などを彫刻される事が増えているようです。

例えば、「和」「絆」「愛」「感謝」「ありがとう」「やすらぎ」「道」「慈」「夢」などが一般的です。

※この投稿は、墓苑に関する一般的な知識の普及を目標にしています。当寺に関するご案内ではございませんので、何卒ご了承下さいますようお願いいたします。

お墓の周りを飾る装飾品

お墓は、墓石と墓石の下に位置するカロート(お骨をお納めする所)。そして、お墓を囲む外柵で基本構成されています。

また、装飾品として、香炉・花立・水鉢・塔婆立・燈籠(とうろう)などがあります。装飾品はご供養における細やかな役割を果たすだけでなく、お墓全体の外観を引き立てる大切な役割を持っています。
今回はお墓の装飾品についてご紹介します。

香炉

香炉(こうろ)とは、お墓の正面にあるお線香をあげるところです。以前はお線香を立てる「香立て」が一般的でしたが、現在はよりお線香が消えにくい、囲いの付いた「香炉」が一般的になりました。

花立・水鉢

墓前に供えるお花やお水を捧げるための装飾品です。左右一対の花立や、水鉢花立. 水鉢があります。お墓全体を引き立てる大切な装飾品になっています。

塔婆立

板塔婆(いたとば)(卒塔婆・塔婆とも)とは、塔婆追善供養のために墓の脇になどに立てる木製の長い板のことを言います。塔婆立ては供養のための塔婆を支えるためのもので、宗派によっては使用しない場合もあります。

灯籠

お墓の周囲に置く灯籠(とうろう)(灯篭とも)は、墓前灯籠とも呼ばれ装飾品としての意味合いが強いものです。火を点(とも)すことで、明かりのご供養をするために使います。一対ないし、右側に一基設置するのが一般的です。

墓誌

霊標や法名碑ともいいます。故人の没年や戒名・俗名・年齢など、略歴を刻んだ石版です。

地蔵尊

お墓として子供を祀るとき、地蔵尊を据えて祀ることもあります。生後間もなく世を去った子供の供養のために建立されることが多いようです。

名刺受

お墓参りに来られた方のお名刺を受けるものです。どなたがお墓参りに来かたが分かるようになります。

さまざまな墓石

墓石の形には、和型、洋型、五輪塔、宝塔、宝篋印塔(ほうきょういんとう)、無縫塔、層塔、神道型などがあります。今回は最も一般的な 「和型墓石」についてご紹介します。

(墓石のかたちは宗教や地域により大きく異なります。一般的なご紹介としてご理解下さい。)

和型墓石のかたち

現在主流となっているお墓は「和型(わがた)墓石」と呼ばれ、江戸時代に一般化したお墓の形です。仏舎利塔を原型としています。
墓石は、上の石から、 天(家庭円満) 、人(人望・出世)、 地(財産維持)を表していると言われています。

またその形は、位牌を模した処から始まっており、江戸時代中期以降に今の様式となりました。構成は、竿石(仏石、石碑など)、上台、下台の二重台型が一般的です。

竿石(さおいし)の様式

「・・家之墓」などの文言などを刻む、縦長の長方形の「竿石(仏石ともいいます)」には様々な加工様式があります。主に竿石とその下の上台が接する部分に特徴のある加工が施されます。

  • スリン加工
    文言などを刻む縦長の長方形の竿石の下部分に、仏石に座布団を敷いたような形を加えた加工です。
  • 蓮華加工
    同様に、蓮の花を擬した形の加工をしたものです。蓮の花が上を向いたような加工を上蓮華といいます。
  • 亀腹加工
    縁起の動物である亀の背の亀甲を模した形で仏石を祀るもので、なめらかな段を造ります。
  • 額縁加工
    仏石の正面に額縁の輪郭の加工を施すものです。額の内側が窪んでいるものを額抜き加工、反対に額の内側が押し出されているものを額出し加工と呼ぶこともあります。
  • 大名型加工
    仏石の上に、石の屋根型の笠を据え付ける加工です。高級感のあるお墓になります。
  • 水垂(みずだれ)加工
    水切り加工、亀腹(かめばら)・丸面取り加工とも言います。四角い面のままだど水が溜まってしまいやすかったため、地面と平行になる面を水垂のように斜めに加工したり、角の部分を丸く加工して水はけを良くし、仏石の水切り状態を保ちます。

芝台

墓石を構成するものではありませんが、下台の下には「芝台」と呼ばれる、お墓の一番下の台となる部分があります。安定した強度のあるお墓には必要なものとして、現在はほとんどのお墓に使用されています。

お墓の中にお納めするご遺骨を丁寧にお取り扱いできることや、芝台を高くすることで空間も大きく、ゆったりとしたスペースを確保することができます。また芝台が高くなることで、墓石全体の偉容を高める効用もあります。

永代供養墓について

永代供養墓は、「えいたいくようぼ」もしくは「えいたいくようばか」と呼ばれ、お寺が主体となって永代に渡る供養と管理を(祭祀と管理)を執り行うお墓です。

特徴としては、一般的に次のことが挙げられます。

  • 承継者(後継ぎ)の有無に関わりなく、お申し込み頂けること
  • お寺の定める永代の管理と祭祀(供養)が受けられること
  • 生前にお申し込みやご準備が整う
  • 一般のお墓を建立するよりも、墓石代などがかからないため、費用を抑えることができることが多いこと
  • お寺院の永代供養墓は、交通の便のよい立地であることが多いこと

また、一般的に他の人と一緒の墓あるいは同じ納骨室(棚)に安置されることから、合祀墓、合同墓、共同墓、納骨堂などとも呼ばれています。

当圓勝院でも、管理費・年会費・寄付金などが一切不要の永代供養墓「蓮華」をご用意しています。内外ともきれいな御影石で造られ、室内は個別の納骨棚となっています。ご関心のある方は、フリーダイヤル、0120-27-4114までお気軽にご相談ください。

お葬式の変化、小規模化について

お葬式といえば、これまでお寺を含む、地域のいろいろな方々の協力によって進められてきたものでした。
読経や焼香などを執り行い、故人の死を友人・知人・近隣・仕事関係に幅広く伝え、盛大に見送ることが、故人への手向けになると考えられていました。地域の共同体や企業などが協力し、人を動員して、できるだけ大勢が会葬する大規模な葬儀が良しとされていたのです。

現在もこのような伝統的な葬儀はよくみられますが、特に都市部では小規模化・個性化が進んでいます。

少子高齢化や核家族化、ご近所とのお付き合いの減少などが一般的になり、ご自身のお葬式は家族葬がいい、親族と親しい人でささやかに見送ってほしいと希望されるお方が増えています。

家族葬とは大まかに、近親者のみで行うご葬儀のことです。通夜と告別式といったセレモニーをご家族の他は身近な友人、知人と少人数で執り行います。儀礼的な弔問は受けないこともあります。