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改葬の注意点と費用

お墓の引越し改葬は、移転元のお墓から移転先のお墓へ、埋葬されている遺骨を移すことです。郷里のお墓から、現在の住まいの近くに墓所をもとめて移転することが多いようです。
注意点としては、墓石を移設する場合、それを許可していない霊園がある場合や、寸法の違いによる制限があることも少なくないため、移設先の霊園に前もって相談しておくと良いでしょう。

【お墓の引越・改葬にかかる費用】

(1)今あるお墓の撤去費用:撤去工事を多くは地元の石材店に依頼します
(2)石碑の運搬費用:移動する場合のみ必要になります
(3)移転先の墓地の永代使用料:その霊園・お寺の管理者に支払います。永代使用料とは墓地の区画を永代にわたって使用してよいという権利を得る為に支払う使用権料です
(4)移転先の墓所の工事代金:墓石を移設する場合も、新しく建てる場合も、新しいお墓の石材店に依頼します。
(5)その他の費用:改葬許可申請費用、お墓の撤去・お墓の建立・納骨の際の宗教儀式にかかる費用など

お墓の引越・改葬に必要な手続き

改葬手続きの・流れは一般的に以下のようになります。

(1)新しいお墓を建てます。
(2)新しいお寺・霊園で、墓地利用許可書を受け取る
(3)受入証明書を発行してもらう(東京○○霊園管理事務所より)
(4)旧墓地のある市町村役場に行くか電話して、改葬許可申請書をもらいます。
(5)旧墓地の管理者(お寺の墓地であればお寺の住職、公営霊園であれば市役所もしくは墓地の管理人、民間霊園であれば管理事務所に、書類に記名捺印してもらいます。
(6)旧墓地のある市町村役場に行って、改葬許可証を発行してもらいます。(これで改葬許可書が完成です)
(8)改葬許可書をもって、新しいお寺・霊園に赴き、納骨の日時の相談をする。
(9)新しいお寺・霊園で供養・入魂式を行い、改葬の終了です。

お墓の引越の流れ

「お墓が遠方のため、お参りの足が遠のいてしまう」、「往復の交通費の負担が大きい」、「子どもが小さく、遠方への移動が厳しい」などの、お墓へのアクセスの理由や、「遠いと十分なお墓の掃除ができない」、「複数のお墓をひとつにまとめたい」、「お墓参りなどで、子供たちの負担にならないように近くにしたい」などの理由から、お墓を近くに引越される方が増えています。

お墓の引越(改葬)を行うには、市区町村長に改葬申請を行い、許可を得るなどの公的な手続きも必要になります。

【お墓のお引越】

(1)新墓所の購入 (2)新墓所の管理者から「受入証明書」を発行  (3)改葬許可申請書の記入旧墓地所在地の役所で「改葬許可申請書」を受け取る  (4)改葬許可申請書への署名をとる。  (5)書類の提出・改葬許可証の発行。 (6)供養・抜魂式を行う。 (7)新しい墓地へ移します。

お墓のリフォームは誰に頼んだらいいの

お墓は耐久性の高い石材を使用していますので、建てて数年で破損が起こることはほとんどありません。

しかし長い年月を経て、自然の影響によるシミやヒビ割れ、傾きなどが生じ、少しずつ劣化が進行していきます。劣化が進むと、見た目だけでなく安全性にも問題がでてきますから早めに対処するようにしましょう。

またリフォームにも、建て替えするような大きなリフォームと、部分的に補修するなどの小さなリフォームとがあります。相談する相手は、お墓を建てたときの石材店に頼むのが一番良いでしょう。

石材店に相談し、お墓のコンディションを見てもらえば、キレイに長持ちさせるために、どこをどうリフォームするのが良いか、診断書や見積書を用意してもらえます。

生涯独身の場合、私の死後はお墓は誰が継ぐの

お墓はあるけれど、ご自身の後にお墓を継いでくれる人がいないということも、めずらしいことではなく、承継者がいないというだけで、そのお墓がなくなってしまうということはありません。

土地や家屋、現金のようなものが相続人もなく遺された場合は、国のものになることが決まっていますが、お墓や仏壇・仏具など祭祀財産は、家庭裁判所が承継者を指定することになります。

お墓の場合は管理料を払うため、お墓の使用期限は、管理料が支払われることによって継続するかたちをとることが多いようです。支払われなくなり一定 期間が 経過すると、使用権がなくなります。また最近ではこれとは別に継承者がいない場合の使用期限を定めることがあり、33年を区切りとするところが多く、その 後は納骨堂や合葬墓に改葬されるようになっています。

承継者がまったくいない場合でも、例えば生前にお墓を建てて、予め十分な年月を見越した管理料を収めておき、末永くご供養して頂くように事前に話し合うことで、心配はずいぶんなくなるのではないでしょうか。

離婚した場合、旧姓に戻らないと実家のお墓に入れないのでしょうか。

そのようなことはありません。
法律上は、「姓名」が原因で実家のお墓に入れないということはありません。

お墓に入るための条件は、(1)お墓の継承者が同意をすること、(2)お墓のあるお寺や墓地の使用規則で認められていることの2つだけです。

古い家制度で は「姓の異なる他家の者を墓に入れない」という考え方もありましたが、霊園・お寺共に、違う名字だからといってお墓に入れない所は少なくなっています。

夫の家のお墓に入ることに抵抗があるときは。

「嫁ぎ先のお墓に入りたくない」というケースは、現在はめずらしいことではありません。

90年に総理府のおこなった調査では、様々な理由から、およそ6割の方が嫁ぎ先のお墓に入ることに抵抗感を感じているようです。また、夫のお墓ではなく、自分の両親の墓に入りたいという方も36%いるようです。

法律上は、夫の実家のお墓に入らなければいけないという法律はありません。

夫婦だけ入ることができる夫婦墓を建てるか、夫婦で別々のお墓に入るなどの方法が考えられます。また、ご実家のお墓の継承者が了承すれば、ご実家のお墓に入ることも問題ありません。いずれにせよ、家族や親戚の理解や話し合いが大切です。

一人っ子同士の結婚。両家墓を建てたい

両家墓とは、2つの家を1つに祀ったお墓です。長男・長女同士の結婚や、一人娘の結婚などでお墓を承継される方の負担が増えたり、承継される方がいらっしゃらない場合が増えたことによって選ばれるようになりました。
以前は1つの墓石に両家の家名を記すことが多かったのですが、現在は墓石には「愛」「やすらぎ」などの言葉を彫刻し、香炉や花立て等に家紋や家名を記すことが増えているようです。
また、広い墓所に両家のお墓を並べることも両家墓のひとつの形態です。

お墓の承継とはどういうもの

お墓は法律上、「祭祀財産」と呼ばれています。この祭祀財産は相続で分割すると、祖先の祭祀をするときに不都合を生じるため、相続財産とは別に特定の1人に受け継がせることになっていて、これを承継といいます。
祭祀財産を受け継ぐ承継者は、故人が生前に指定していたのであればその方になります。この場合は血縁者でなくとも承継者になることができます。
また、故人による指定がない場合は、家族や親族で話し合って決めることになります。一般的には慣習に則り決められることが多いようですが、もし遺族の間での合意がない場合には、家庭裁判所の調停もしくは審判によって決められることになります。

国際結婚の場合、夫婦で同じお墓に入れますか

日本国籍を持たない人が、日本で亡くなった場合も、市区町村役所で死亡届や火葬許可申請など所定の手続きを行えば、墓地に埋葬することができます。墓地への埋葬は国籍不問ということです。
また、寺院墓苑、公営墓地ともに外国人でも申し込みできるのが一般的で、国際結婚で連れ合いが日本国籍ではなくとも、一緒のお墓に入ることは難しくありません。
ただし、霊園等では墓地の使用規則で「埋葬者は日本国籍であること」などの条件がある場合もありますので、事前の確認が必要です。